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20周年 新しい知性・日本の教育を変える

■新しい知性- New Intellect -

間もなく21世紀が始まります。
20世紀という激動の舞台で、人間は様々な挑戦をし、迷ったり挫折しかけたりしながら、なんとかここまでたどり着きました。しかし、環境問題、経済問題、民族問題・・・等困難が山積し、人間の知性はそれらの多くについて未だ解決できないでいるのが現実です。
21世紀は新しい百年紀であると同時に新しい千年紀の始まりでもあります。私は、このことにとても深い意味が秘められているように思います。私たち人間が築いてきた文明について改めて見つめなおす、実に良い機会ではないかと思うのです。
この数十年の間に、科学技術を核とした私たちの文明は驚くほどの発展をとげました。しかし、あまりに性急であったためにその恩恵にあずかれない多くの人を生み、また、あまりに自己中心的であったために自然や他の生きものたちにダメージを与え、その結果として地球そのものの存立を危うくするような事態に立ち到りました。
そんな中で迎える21世紀。2001年から3000年への千年紀。それは現在の延長ではなく、また、現在の単なる全面否定でもない、新しい認識と新しい科学技術による新しい世界の創造そのものでなければならない、と思います。新しい認識とは、人間が人間だけに関心を向けるのではなく、生きとし生けるもの、地球、あるいはそれらを包む<宇宙>を全的に認識することです。それは、私たちが私たちの手で新たな思想・哲学をつくり、新たな時代をつくっていこうとする意思そのものなのだといえるかもしれません。
今こそ、自然や他の生きものたちとの限りない調和をはかりながら、なお自らの幸福をも追求する―――そうした命題に取り組み続ける新しい知性を獲得しなければならない、と考えます。

■日本の教育を変える- Changing Japanese Education -

視点を日本に移しますと、わが国は経済的には世界のトップランナーになりました。
しかし様々な報道に接して感じるのは、まだまだ世界から敬愛・尊敬される国にはなっていない、ということです。それどころか、世界の資源を独り占めにしたり、開発途上国の自然を破壊したりして、日本人は自分のことしか考えない国民だと非難されることさえあります。一方、私たち国民は物質的には豊かになりましたが、心の豊かさという面ではなんとなく心もとなさを感じています。一体どうしてこんなことになってしまったのでしょう。
私は、そうなった原因の一端として教育が挙げられると考えます。
例えば、日本の教育の根幹をなしている過度の競争原理と問題解決型の思想。そこに端を発する他者に対する想像力の欠如。そして、他との比較においてしか自分の価値を測れないという、「心の豊かさ」の欠如。
これらは、日本が戦後のどん底からはい上がる過程ではさほど問題にはなりませんでした。しかし今、世界のリーダーとしての評価を受けるべき立場になってみると、そうした日本人の在り方が厳しく問われていることに気づくのです。

教育を変えなければならない。単に日本だけをよくするという意味ではなくて、地球環境や生きとし生けるものに想いを馳せ、世界の人々と喜びを分かち合える新しい21世紀を創造するために。―――それが、今の私の正直な想いです。
日本の教育を変える。―――もちろん、このとても大きなテーマが、短時間で、しかも単独で達成できるはずはありません。しかし、世はまさにネットワーク化の時代。私は、同様な志を持った団体や個人とスクラムを組むことで、一歩ずつ想いを実現できると信じています。そういったネットワークを育てていくうえで、自ら重い役割を担っていきたいと思うのです。
私たちは、教育を中核とする私たち企業活動の総体を<教育総研プロジェクト>と呼びます。様々なテーマに、様々な力と考え方を持つ人々が参加し、ひとつのテーマが解決すれば、各人がまた別のテーマのプロジェクトを構成する。力さえあれば、複数のプロジェクトに参加できるし、成果に応じて報酬も保障される。
そんな創造的で自立型の人間集団を目指しているのです。

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