
西澤アニメはこれまで、従来のアニメと違い実写映画に近い世界を作り出してきた。
アニメというと、デフォルメされた人物、大きなアクションなど、“省略と誇張”の表現が主流だが、監督が表現したい世界はいつもそれとは全く違っている。
微妙な表情の変化や動きの小さい日常のお芝居を、実写映画のようなリアリティをもった形でアニメにしたい!と考えているのである。

でも、実際に絵を書くアニメーターさんにとっては、それがなんとも最大、難しい。
大げさなアクションをせずに、会話中の微妙な表情の変化や動きの少ないしぐさをアニメで表現するのは、至難の技。もちろん慣れてもいない。
ならば、西澤アニメとして、何かの方策を考えなくては。。。。

今回は前の2作に比べても、会話シーンが多いし、それぞれのシーンがとても重要な意味を持つ。しかし、ともすればそういうアニメは、退屈な映像になる危険性があるので要注意。
多くて長い会話シーンをどう表現していくか、が、この作品の成否を左右するのだ。
「ちょっとした何気ないしぐさが加わると、ここはリアリティが出てくるよね」というふうな工夫が演出プランを考えていくためには必要になってくる。

そこで、劇団員に会話のシーンを演じてもらうことにした。
会話のシーンが多く(それも場所が事務所の中と地味め)、アクションも少ないので、役者さんも演じるのに一苦労。
撮影は朝9時から夜10時までと、長時間にわたり、役者泣かせ?の演技が続けられた。
リアル感を出すために、走ってきて息が切れてたなんていう場面では、役者さんにその場で、腿上げ運動をしてもらって、ちゃんと息切れ状態をつくってもらう、工夫も。
そこまでするんです、ワオ・ワールドは!
この映像がアニメになっていきますよ。
出来上がった映像を見て、想像してみてください。
(文 西澤真佐栄/写真 福田直美)